タイヤバランサー ホイールバランサーの仕組みってどうなってるの?
公開日:2021/3/9
雑学の続きです。
タイヤの黄色、赤色マークについて のページにて説明しましたが、 タイヤのバランス調整を、DYIでできないかという事で、
簡易的なタイヤ用のバランサーが売られていますね。
ですが、このDIYバランサーは、静不釣り合いを測るもなので、タイヤの2面修正は正確にできません。 タイヤのマークについて解説したとおり、2面修正を行うためには、実際に、タイヤをぶん回してアンバランス量を計測する必要があります。 たとえばこんな機械
よく、オートバックスや、ガソリンスタンドにおいているアレです。あれを個人で持っている人は少ないでしょう。
なので、DIYで動バランスを取るというのはちょっと難しいですね。
では、あのタイヤバランサー ( ホイールバランサー ) の仕組みはどうなっているの?
という事で、仕組みや原理について詳しく解説しているサイトがなかったので解説してみようと思います。
あまり、詳細に詳しく原理を記載してしまうと、バ○ザイや、○ヤサカの
人に刺されてしまいかねないので、あくまで原理について深堀してみようと思います。
タイヤ、ホイールバランスの測定方法について
まず構造は至ってシンプル。 タイヤと締結できる、シャフトに一定回転でまわせる駆動力と、
タイヤが回った時に発生する、振動を検知するセンサーをマシンに搭載させます。
1つだと、タイヤの内面と外面の合成された振動(スタティックバランス方向) しか分からないので、2つあります。
(センサーは、動的な変化をキャッチするタイプと、振動による圧力変化をキャッチするタイプなどがあり、仕様はメーカーによるかもしれません)
このそれぞれ2つのセンサーが、シャフトに伝ったタイヤの回転振動を受け取ります。
受け取った信号は、単なるアナログ信号なので、そのままでは、振動の強さや方向もわかりません。
なので、受け取った信号をA/D変換をして、コンピューターに取り込みます。(この時に信号の位相が分かる様に、
入力角度が分かるエンコーダーのようなものをシャフトに取り付けて、入力信号と同時に取り込みま同期させます)
ただし受け取った信号は、そのままではいろいろな成分が含まれています。
(いろいろな成分をとは、シャフトを回すモーターの回転振動や、
電源ノイズ、機械そのもが持っている固有振動等です)
この信号成分だけではタイヤのアンバランス量が分からないので、デジタル信号に使えるフィルター処理(バンドパスや、フーリエ変換等)
を使って、回転一次振動だけを取り出します。
センサーが受け取ったの振動1次成分をとりだしても、振動の強さが分からない為、これを数値化する為に、
実際にタイヤに錘をつけて、変化の差を記憶させます。
※これを、校正 (目盛り校正)等と呼びます。
この時に、重さのピークが(変化の一番でかい角度)アンバランス部になるので、このピークを、
マシンの一番下にしろ! 上にしろ!って コンピューターに記憶させることで、角度が分かるようになります。
ですが、最後に一番の問題があって、この二つのセンサーは、単純にシャフトの(回転体)振動を取っているため、
タイヤの内側の振動の変化だけではなく、外側の振動の変化も受け取ってしまうため、そのままでは正しい重さの量が分かりません。
そため、これら2つのセンサーは、校正を行った時に(量のわかる錘をつけた時)、お互いのセンサーが影響し合う変化の量を
計算して算出するようにします。
※これを影響面分離計算、等と呼ぶようです。 厳密には、タイヤの修正径や幅、(カウンタウェイトを取り付けるホイールの寸法)
が計算に加わっているので、実際にはもっと複雑な計算をしていると思われる。
これは校正した場所が基準となって、互いの(内側と外側)の修正面を計算するため、大小様々なタイヤを計測する為に
計算に必要な、ホイールの寸法要素が正確に設定されなければ、正確に測れないという事の裏返しになります。
つまり一つのマシンで、様々な車やバイクのタイヤに対応する為に、大きさや幅、重さの違うタイヤを
測る為には、一つの基準(正)となる標本で正確に校正をすることが重要になります。
また修正もしかりで、修正錘の量と、指示角度は、設定されたホイールの寸法から導きだされるため、
修正錘が対象となる、設定した修正寸法に正確に取り付けられなければ、アンバランスが綺麗に落ちません。
(打ち込みウェイトの場合はまだ良いのですが、特にアルミホイールの貼り付けウェイトの場合、ホイールの内側、
外側にズレるだけでも演算誤差になり、量が多ければより顕著に現れる)
なので・・・タイヤバランサ(ホイールバランサ)を使用して、動バランスを測り、
片側(内側か外側どちらか)のバランスを修正(錘を取り付けて)した時に、反対側のバランス量が変化(量が増えたり減ったり)
した場合は・・・
・機械に設定したタイヤの測定寸法が間違っている
か
・校正が崩れている
という事になり、まともに測れていない事になります。
(ただし、先に説明した通り、付加した錘が修正箇所に対して正確に取り付けられているのが前提となりますが)
特に、この校正値 はセンサーの変化量から導き題している為、様々な要素で簡単に狂います。
※例えば、
・タイヤをマシンに乗せるとき、シャフトにぶつかった。
・メンテナンスで、マシンを分解した、センサーを取り外した。
など、普通に使用していても起こりえる内容などです。
上記の理由から、修正錘をちゃんとつけたけど、アンバランスが落ちない、や、測ったけどバランス量がやけに少ない等、測定結果が怪しい場合、
そのバランサーが、定期的に校正されているのかを疑った方がいいかもしれませんね。 しらんけど。
といった具合に解説しましたが、本ページが示す内容が、世に出回ってるタイヤバランサー(ホイールバランサー)
の全てが上記の仕組みであるというのを保証するものではありませんので注意して下さい!
(もちろん、○ンザイや、イヤ○カが、同じ仕組みかどうかについては全く分かりません!)
ですが、総合すると、静バランサーのように個人でDIYするのちょっと難しそうですね。
(数学に強い人は作れそうですが、コストが見合わないので、素直にガソスタなのでお願いした方が良いでしょうね)
以上、タイヤバランサーについての解説でした!
打ち込みウェイトの取付、取り外しに、 タイヤのビード落としに