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タイヤの 黄色や 赤色 のマークについて

公開日:2021/2/21  :更新日:2021/2/27

雑学です。
インターネットで、タイヤの黄色や赤マークについて検索をかけると、このマークの意味に理由について、 言及や、解説しているサイトやブログが結構あるのですが、意外と技術的に詳しく解説しているページが 無かったので、もう少し深堀して解説してみようと思います。

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・Special thanks to~:いらすとや

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黄色のマーク

 既にほかのWebサイトなんかでも紹介があるとおり、タイヤのバランス軽点の部分となります。 (要するに一番軽い所ですね) 一番軽い所なので、一般的にはホイール重量の一番偏りが出る(重くなる) であろう部分の、エアバルブと合わせる事で、釣り合いが取れるようにタイヤが組まれる事が多いですね。

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ですが、このバランス軽点は、いわゆる静的なバランス軽点箇所であり、一般的に2面の動バランス (ダイナミックバランス)で不釣り合い修正を行うタイヤにおいてはあまり意味がありません。

※静バランスとは、(スタティックバランス:静不釣り合い)物体が動かない状態での不釣り合い量で、イメージしてほしいのは、 扇風機の羽の一か所に、1円玉を張り付けると一円が付いている羽が一番下に来ると思います。
これは羽の重心がずれて重力に引張られる為です。
黄色のマークは、一円玉が付いている場所の、180°反対の場所になりますね。

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天秤と同じように、ずれ量となる重さの質量を、 180度反対側に付加することで、不釣り合いを打ち消すことが出来ます。
重心がずれている状態のタイヤが回転すると、ずれ量の大きさに応じた遠心力が発生します。(当然回転するスピードでも遠心力は変わります。)

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遠心力は回転速度でかわりますが、重心がずれで発生した、不釣り合い量の重さは絶対的なものです。 したがって、先ほど天秤の例で説明した方法で、不釣り合いを消すことができます。


ですが、実際のタイヤは、扇風機の羽のように、薄いものでは無く厚みがあり、また均一にできていない為、タイヤの内側と外側でそれぞれで重心のずれを持っています。

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上記の例は軸受けですが、タイヤの場合軸受けが路面となります。
天秤は、重力を使って一つの重さに対して釣り合いを量るが、内側と外側のそれぞれの重心を量りたいタイヤの場合、天秤のような釣り合いをとる手法が使えません。

しかし、タイヤの黄色のマークは一か所しかない通り、静的な軽点個所(静バランス)となります。
その為、先に説明したとおり天秤とおなじ要領である、ホイールの重点個所であるバルブとタイヤの軽点を合わせただけではタイヤが回転した時に、 外側は振動が少ないけど、内側では振動がでてきてしまう、なんて事も出て来てしまいます。

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この回転時におきる不釣り合いを、動バランス(ダイナミックバランス:動不釣り合い)といいます。

タイヤはこの回転した時の振動が、無い方が好ましい為、動バランスで修正するのが一般的です。

また極端な話、仮にタイヤの内側と外側に、ほぼ同等の不釣り合いを持ち合わせていて、さらにその不釣り合い量が、 180°反対に持ち合わせていた場合、やはり天秤が釣り合うのと同じで静バランス的には、ほぼ発生しない(同じ場合は完全に打ち消し合う)のですが、 動バランスは最悪で、酷い偶力が発生してしまいます。 (タイヤの回転方向に対して、90°すれた方向に遠心力が加わってしまう)

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オレンジの矢印がベクトルとすると、r=50 として、打ち消し合うのがわかるでしょう。
しかしベクトルの始点は、互いに離れているため、動きだしたときに偶力が発生します。
※偶力については、『ベクトル』、『偶力』、『モーメント』 でググってね

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そのため、タイヤはホイールと組み上がった後に、内側、外側それぞれ(2面)で、 動バランスを測って、必要に応じたカウンターウェイトをつけて修正をしているので、 タイヤのバランスマークと、バルブの位置が合っていなくても、あまりきにしなくてもいい、 というお話です。
(理由は上記のとおりで、静バランスが良くても、動バランスが良いとは限らない為)

というか、この黄色のマーク、おそらく昔からの名残で残っているだけで、現在 ほとんどのタイヤメーカーさんは、バランス検査を動バランスで測っていると思われるので、 本来、『内側と、外側にマーク打てばいいじゃん!』という話なのですが、 結局、ホイール自体バランスを持っているので、意味ないよね? ていうことで 採用していないのかもしれませんね。
要は、『ちゃんと検査したよ』、っていう目印なのでしょう。 しらんけど。

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赤色のマーク

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このマークについては、ユニフォミティを計測した際のマークである事が多いですが、 ユニフォミティである場合、よく、『一番膨らんでいるところ所』や、『大きい所』といったタイヤの真円度(振れ量や成分) といった意味で説明されているWebサイトが多いですが、厳密には違います。
一般的にユニフォミティは均一性という意なので、広域の意味では、間違っておりませんが、 タイヤメーカーの言うユニフォミティの場合、意味が変わってきます。
(※これ、間違えて表現しているサイト本当に多いです)

ちなみに、タイヤの真円度や振れ量に対する評価は、ランナウト呼ばれることが多く、この場合では、 『一番膨らんでいるところ所』や、『大きい所』といった表現は合っていると思います。
(一般的にはTIRの表現が多いかもしれません)

これには根拠があって、S社さんのWebサイトでユニフォミティの表現に対して、やんわり、 『真円度を表す表記がありますが、厳密にはフォースバリエーションの評価の範囲』 と表記があり、 タイヤメーカー公式のWebページで間違いを指摘しているんですよね。
つまり、タイヤ赤マークはのユニフォミティーの計測時の、トレッド面における 反発力の一番強い所にマークされる事が多いですね。

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もう少し掘り下げて言うと、RFV(ラジアルフォースバリエーション)を計測した際の、 トレッド面一周の、全域成分か、1次成分のピーク(一番強い所)であることが多いです。
(全域成分か、1次成分はメーカーによるかもしれません)

評価方法は、実際にタイヤに対して荷重をかけてから回転をさせて、タイヤ一周分の荷重の変化量を 力センサーなどてサンプルします。

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※全域成分とは、計測用の力センサーがダイレクトに受け取った生の値と思って下さい (生だと、タイヤと関係ない高周波が入ってしまうので厳密には違いますが)

※1次成分とは、全域成分に含まれている、1周期のだけの正弦波だと思って下さい。

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したがって、あり得ませんが、タイヤが超綺麗な真円であっても、F/Vは存在するのです。 それは、ゴムの硬さの不均一か、中のワイヤカーカスが、影響しているかはわかりません。 ですがほとんどの場合、ゴムの厚みによる偏りなどの形状の不均一で起こる事の方が自然なので、 一番膨らんでいるところは、RFVも一番強く出るだろうという事ですね。

なので、ホイールのローポイントと、RFVのピークを合わせるのは上記の理由からだと思われます

ちなみに、ユニフォミティは、RFVだけではなく走行方向に対して90°方向(左右どちらか) に対して起こす力の事をLFV(ラテラルフォースバリエーション)と言います。

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またこのLFVを、それぞれタイヤの正転と逆転で計測して、それぞれの平均値を求めて、 正転と逆転の平均をコニシティと呼び、正転と逆転の差の 1/2 をプライステア と呼ぶようです。

※詳しくは、『日本自動車タイヤ協会』、や 『JATMA』 で検索すると出てきますよ。

いずれにしても、タイヤを購入したユーザーにとっては特に気にする必要はないレベルの物とおもって 問題ないでしょう。 特に、RFVのハイポイントにおいては、ホイールの組み合わせ程度で ばっちり消滅させる事はまず不可能なので、調整して体感できたら良いレベルだと思います。 (もちろん、やらないよりかはマシでしょうが)
というより、乗り心地(振動が酷いレベル)の悪い品質のタイヤは、F/V検査工程ではじかれるので、 やはり一般消費者レベルでは気にする必要はない、とい言えのではないでしょうか。 しらんけど。

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白のマーク?

最後に、白のマークについて。

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最近、見かけるようになりましたね。これは、タイヤのトレッド面の一番盛り上がっている部分(振れ:ラジアルランナウト)にマークされる事があるようです。(付いていないタイヤもあります)
※されることがあるようというのは、必ずしも、白マークとは限らない為です。 実際に、トレッドの振れピークにおいて、赤色マークを 打つ場合もあるそうなので、前の赤マークの項目で、『ユニフォミティである場合』 と、歯切れの悪い表現をしたのはこの為です。

『なんだ! じゃあ、やっぱり赤マークは振れのピークなんじゃん!』 と思われたかもしれません。 ですが、ユニフォミティと、ランナウトでは、計測方法が 全く異なります。

ランナウトの評価の場合は、文字通り振れなので、タイヤのトレッド面(RRO:ラジアルランナウト)と、サイドウィール(LRO:ラテラルランナウト)に、 変位量がわかる計器(接触式であればダイヤルゲージやピックテスター、非接触であればレーザー変変位計等、)を使用して変位量を計測します。

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ユニフォミティ同様、そのままサンプルしてしまうと、トレッドの溝部である、凹凸まで計測してしまうため、特殊なフィルター処理を行い、抽出したい成分 のみを評価する事が多いでしょう。 ピークポイントマークにおいては、たいていの場合は、1次成分にて評価すると思われます。 しらんけど。


ざっくり説明しましたが、いかがだったでしょうか? 本記事を書いたきっかけは、ユニフォミティについての説明を あまりにも間違えて解説しているサイトが多いので、これはいかん!と思い記事にしてみました。 が、結構 説明の為の図を考えるのが大変でした(笑)
もう少し詳しく教えて! という方は、ツイッターでダイレクトにメッセージ下さい。 可能な範囲でお答えいたします。 ※アカウントはchosyoshinsya で検索してみてください。
以上 あなたのタイヤ選びの参考になれば幸いです。 それでは、ご安全に!!

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